旅せよ、ひやま(檜山)

誰も教えてくれなかった、ひやまが見つかります。

ひやまについて

函館から国道227号を車で約1時間。天狗岳や三角山を越えながら渡島半島を西へ横断してたどり着くのはあっさぶ町。えさし・かみのくに・あっさぶ・おとべ・おくしり・いまかね・せたなの7町からなる、みなみ北海道に位置するひやま地方です。夏場は30℃以上の気温になることも少なく、冬は平均最低気温がマイナス3℃前後と年間を通して温暖で過ごしやすい気候が特徴。古くは中世・平安時代に和人が最初に定住した土地として、江戸時代には1万石の大名である松前藩が発足した土地として、北海道の最初の地を築いてきた歴史を持っています。道内でも戦時の空襲被害がなく、古くからの歴史を持ちながら多くの文献や歴史的建造物が残っている唯一の場所でもあるのです。各町では個性豊かな源泉が多く、その町ならではの海の幸・山の幸が出迎えてくれるでしょう。見どころは深い歴史と共に味わう夕景。日本海の荒波が造形した奇岩や岬が魅せる、陰影の美しい海岸線が目を楽しませてくれるでしょう。

ひやま地方各市町村マップ 奥尻(おくしり) 瀬棚(せたな) 今金(いまかね) 乙部(おとべ) 江差(えさし) 厚沢部(あっさぶ) 上ノ国(かみのくに)

誰も教えてくれなかった、
  ひやまが見つかります。

海岸線並ぶ「なべつる岩」「親子熊岩」「三本杉岩」など、多くの奇岩。それは日本海に沈む夕陽と陰影が合わさり、ここだけの美しい夕景を魅せてくれます。他とは違うノスタルジーを抱いたなら、それは夕陽が魅せたひやまの古い記憶を垣間見たからなのかも知れません。
古くは中世・平安時代からの歴史を持つ、ひやま地方。一部では遺跡も見つかっており、先住民が定住したのは縄文時代とも言われています。本州からひやまへ和人が最初に定住したのは、日本の中世である平安時代。源頼朝によって追われた一族が当時アイヌの人々が暮らしていたひやまへ流入しました。その子孫が時の為政者たちに北海道を領地とすることを認められ、果ては1万石の松前藩を築き上げます。徳川幕府の長い治世を経て、土地と資源が豊富な北海道もまた華めく時代を迎えました。その賑わいはニシンと共にもたらされ、幕府の本拠地である江戸の街にも勝るほど。誰もが夢を抱き、ひやまに各々の理想郷を描いたのです。商人たちは繁盛を約束する土地として。当時弾圧を受けていた隠れキリシタンは、静かに信仰を捧げられる土地として。しかしニシンと共にもたらされた繁栄は、ニシンと共に過ぎ去っていきます。ひやまは幕末の訪れと共に、段々と時代の流れから取り残されていきました。その後明治政府により本州や海外からの主要アクセスは、函館から札幌へ移り変わります。しかし世界大戦を控えたその時代にあって空襲から逃れるように影を潜めていくその様子は、何か大きな力がひやまの文化や自然を守ろうとするような気運でした。
ひやまには、国や道の重要文化財として登録されている歴史的建造物が多く残されています。それはひやまが空襲に遭わなかった数少ない土地ということもあるでしょう。山と海の恵みを兼ね備えた持ち前の豊かな自然に、多くの時代の記憶を守り継ぐ郷土心。ワインのように醸造された、深いひやまの魅力が目覚めます。

えさし

明治・大正期の空気漂う
美しく、格式高い街並み

世界的に知られる「江差追分」を始め、多くの北海道文化が生まれた「えさし」。町内では江戸時代の商人によって育まれた独自の江差文化を今でも体感することができます。7・8・9月に行われる、えさし三大祭は見どころ満点。特に北海道の最古の神社による道内一歴史の深い祭り「江差・姥神大神宮渡御祭」は、3日間にかけて13台の山車が吹き流しや錦の御旗をひるがえし、流暢な祇園囃子の調べにのって町内を練り歩く大迫力の祭り。また戊辰戦争ともかかわりの深い、幕末ロマンを感じさせる地です。食は獲れたてのイカ・ウニ・アワビなどの新鮮な海の幸。名産ニシンそばは本当の江差を知るには欠かせない逸品です。詳しく見る

かみのくに

情緒あふれる
絶景の中
全身で感じる
中世の香り

小高い夷王山の山頂にある鳥居から覗く、一面を朱色に染め上る「かみのくに」の夕景。町内には松前藩の礎となった中世の山城跡があり、かつての姿そのままに現存する多くの歴史的建造物が歴史の深さを感じさせます。「石崎奴(いしざきやっこ)」や「上ノ国八幡宮渡御祭」が開催される8・9月はひときわの情緒。上ノ国観音堂に納められた円空作の仏像も歴史を感じる上で欠かせないスポットです。海産物や農作物も豊富で、ほっけやひらめ、キヌサヤエンドウが特産です。また、全国で唯一採れるブラックシリカもオススメ。伝統を紡いできたこの地ならではの、趣深い自然との調和を楽しめます。詳しく見る

あっさぶ

600年前からの
原生林だけが持つ
癒しのチカラ

深い森に囲まれて、深くひとつ深呼吸。それだけで心がほどける町、それが「あっさぶ」です。江戸時代から続く「ヒノキアスナロ」の原生林・薄桃色の花を咲かせるメークインの花畑・樹齢500年以上と言われる巨大樹「ヒバ爺さん」など、清流と森が作り出す賑やかな自然の姿を見ることがきます。国道沿いを走れば、多くの野菜直売店。オススメはこの地発祥のメークインです。桜が咲き誇る5月には松前藩と旧幕府軍との激戦を再現した「館城跡まつり」が行われ、幕末の息吹を間近に感じられます。アイヌ語で桜鳥(ムクドリ)を冠する地で、鳥の声に耳を傾ける心穏やかな旅を。詳しく見る

おとべ

中世の神話を
呼び覚ます
奇岩と果てない
水平線

東洋のグランドキャニオンとして知られる「館の岬(たてのさき)」を望む、まるで地中海の絵画のような一面を覗かせる風景。広がる自然は中世の平安時代に、和人が初めて移り住んだときと同じ「おとべ」の原風景を感じさせます。7月は元和台海兵公園にある最高水質の「海のプール」で行われる、ウニの手づかみ体験ができる「元和台マリンフェスティバル」へ。お土産は日本一に輝いた、食用ユリ根を使ったお菓子がオススメです。様々な表情を魅せる奇岩と果てない海が続く海岸線で、神話のような自然を堪能しながらゆったりとした時間を過ごせます。詳しく見る

おくしり

空の青と海の蒼
ディープな
魅力満載の奥尻ブルー

離島ならではの一味違う、ウニ・アワビなどの海産物が豊富な「おくしり」。1993年に地震と津波に襲われながらも完全復興を遂げ、旬の海産物に加えワイナリー・温泉・パワースポットと多くの魅力あふれる町となりました。島をぐるりと囲む日本海は、この地だけで見られる緑が溶けたような奥尻ブルー。夏はビーチで様々なマリンスポーツが行われ、ダイバーにも大人気です。自然が作り上げた鍋釣岩を望む景色は、まさに絶景。独り占め気分を味わえるのも、孤島ならでは。6月に行われる「賽の河原祭」では、趣深い海岸で灯篭流しを行うディープな風情が楽しめます。詳しく見る

いまかね

誰もが夢を描いた
ユートピアで
気持ちも
潤うひとときを

美しい清流と豊饒な大地に恵まれた理想郷、それが「いまかね」です。町内には水質の高い河川や湖がいくつもあり、古くは砂金掘りで多くの鉱夫が夢を求めて訪れていました。日本一の清流に何度も選ばれたことのある「後志利別川」では今でも無料で砂金掘りが体験でき、道内最大の「美利河ダム」では季節毎に様々な川魚の姿を見ることも。美しい自然の数々は、遥か昔この地へ降りたクリスチャンたちが思い描いたエデンの園そのものなのでしょう。日本初の女医・荻野吟子もそのひとり。8月に行われる「今金いいとこまつり」では特産品が多く並び、味覚を一度に堪能できます。詳しく見る

せたな

来る度に違う
表情を魅せる町が
心を充電してくれる

2005年に瀬棚郡瀬棚町・瀬棚郡北檜山町・久遠郡大成町が合併してできた「せたな」町。海と山の魅力が溢れる土地に生まれ変わった町内には、多くのパワーや魅力溢れるスポットが肩を並べます。その時々で違う表情を見せる奇岩が並ぶ、多くの海岸線。北海道最古の山岳霊場、太田山神社。季節ごとに花々が咲き誇る高原。自然を見守るのは、日本で初めて洋上に設置された風力発電機「風海鳥」。せたなに吹きつけていた強い風が、今は子どもたちの未来へつながっています。海の幸が豊富なこの町では、その日の海産物を船長たちが直接販売する、毎月第4日曜日の「夕市」も大人気です。詳しく見る

重厚な色彩美を奏でる、
日本海で
お待ちしています

ひやまを巡り、なにより印象的となるのは各町で違った趣を魅せる自然と空の調和。夕暮れ・朝焼けが奏でる大パノラマは、息を飲むほど美しい色彩美を四季折々で感じさせてくれます。毎日同じ空はなく、その瞬間のその風景はあなただけのもの。深い歴史と文化があるからこそ、その絶景はより重厚感を持って心に迫るひとときになるでしょう。
最新の遊園地があるわけではありません。ひやまにあるのは負けない自然の魅力と、自分を見つめ直すことのできる穏やかな時間です。土や海の恵みを感じながら、農作物や海産物を食べること。鳥の声に耳を傾けながら、風に季節の香りを覚えること。これは豊かな北海道のどんな場所でも体験できることですが、同じではありません。ひやまには、ひやまでしか味わえない情緒があなたを待っているのです。
現在ひやまでは古い歴史を守りながら自然に寄り添う、多くの取り組みが始まっています。風力を始めとした環境エネルギーの利用。利益を優先しない、オーガニック食品の開発。古き良き自然と共生する生き方を思い返すことで、次世代の未来を守ろうとしているのです。それは訪れる人々にも、大切なものを振り返る大切な時間となることでしょう。 ひやまは北海道に和人が流入した最初の地。そこを旅することで、本当の北海道の魅力を知ることができるのではないでしょうか。

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